2012-03-31

Rank/Xerox , Grass Widow / Split tape (2009)

Rank/Xerox , Grass Widow / Split tape (2009)

素性のよく分からない2バンドのスプリット・テープ。中身はともかく、まずカセット・テープがまだ製造・流通されていることに驚く。
Rank/Xeroxはポスト・パンク的なラウドで性急な若さが魅力。Grass Widowはそれプラス、ナイーヴなメランコリックさを併せ持っていて妙に懐かしさがある。
2バンドともカセットというメディアの象徴性、独特な音質を巧く活かしていて面白い。

2012-03-30

Kangding Ray / OR (2011)

Kangding Ray / OR (2011)

raster-notonの中ではかなりフィジカルな印象の1枚。グリッチ系のノイズ成分は比較的少なく、インダストリアルな風景の中、タメの効いた硬質なビートが鳴り響く。1曲目が特にかっこいい。

2012-03-29

KWJAZ / ST (2011)

KWJAZ / ST (2011)

カセット、LP収録作の2010年作の再発。ジャケットの雰囲気と録音がそれっぽいせいか、どうもTaji Mahal Travellersを思い浮かべてしまうサイケデリック・ドローン。具象音やアナログ機材を多用した手法も当時のものに近いが、編集はおそらくバリバリのデジタル・エディットなのでは。秀作。

2012-03-27

Battles / Gloss Drop (2011)

Battles / Gloss Drop (2011)

なんとなく聴かず嫌いだったけど、これがかなり良くてびっくり。ポスト・ロックという文脈で語るにはあまりに突き抜けたリズム至上主義と、緻密な構成力のせめぎ合いによる陽性のダイナミズムが素晴らしい。

2012-03-26

Ital / Hive Mind (2012)

Ital / Hive Mind (2012)

ダブをベースにしたゆったりしたグルーヴに、カラフルでストレンジな音響がうねるサイケデリックなハウス。アブストラクトなんだけど、なんかゴージャスで楽しい。

2012-03-24

Monolake / Ghosts (2012)

Monolake / Ghosts (2012)

これまでのダーク・アンビエント〜ダブ・テクノなラインからは少し外れて、今作は立体的でメタリック。それをダブステップなビートがボトムを強化して、よりダイナミックで複雑な音響が構築されている。最新型のBasic Channel系正統的進化形態。

2012-03-21

Soft Moon / Total Decay : 12inch (2011)

Soft Moon / Total Decay : 12inch (2011)

BauhausやJoy Division風のスタイルに、ギターじゃなくモノ・トーンのシンセ(あくまでも「シンセ」であってエレクトロではない)がうなる。ツボに嵌ればかなり気持ちの良い世界。今風に言えば、ポスト・パンクなシンセ・ビートのコールドウェイヴってところか。

2012-03-20

Pop. 1280 / The Horror (2012)

Pop. 1280 / The Horror (2012)

Chrome + DAF + Birthday Party + Wire =?
もちろん良いとこ取りというわけじゃないけど、80sNWの初期衝動と切迫感を継承したプリミティヴな魅力がある。

2012-03-18

Alejandro Franov / axia (2008)

Alejandro Franov / Axia (2008)

これもアルゼンチン音響派。7作目くらい?
南米というよりは東南アジア的なストレンジ・エレクトロポップ・アンビエント。各種の民族楽器を使いながらも、あくまでフェイクなユルさを前面に出した、湿度の低さが心地良い。

2012-03-16

Loops Of Your Heart / And Never Ending Nights (2012)

Loops Of Your Heart / And Never Ending Nights (2012)

The FieldことAxel Willnerのソロ。最新の機材を使いながら、初期Cluster, Ashra, ヴァージン時代のTangerine Dream辺りの流れの、正しくジャーマン・プログレな音を再現。ただし時にエッジの鋭いピークもあったりして現代的なテイストも仕込み、単なるオマージュに終わってないのはさすが。

2012-03-14

Giuseppe Cennamo / Amanecer (2011)

Giuseppe Cennamo / Amanecer (2011)

トライバルでミニマルなビートに、ダビーな上モノが飛び交うファンキー&クールなトラックが5曲。Cadenza系っぽいモダン・ミニマル・ハウス。

Mind Spiders / Meltdown (2012)

Mind Spiders / Meltdown (2012)

パワーポップ・テイストのガレージ・パンク。軽めのビートにスイートなメロディーを乗せて一直線に突っ走る全11曲。ソング・ライティングも良いし、徹底してキャッチーなスタイルが清々しい。

2012-03-12

Mono Fontana / Ciruelo (1998)

Mono Fontana / Ciruelo (1998)

アルゼンチン音響派の 1st。世界各国の民族音楽やフィールド録音のコラージュを背景に、ブラジリアン・ジャズ、モダン・クラシカル、プログレなどの様々な切り口で作り上げた、万華鏡のような世界観が素晴らしい。穏やかな祝祭感に溢れる1枚。

2012-03-11

Drums Off Chaos & Jens-Uwe Beyer / ST (2011)

Drums Off Chaos & Jens-Uwe Beyer / ST (2011)

PhantomBandの後、80年代にJaki Liebezeitが新たにUnknown Casesを挟んで始めたプロジェクトの復活作。Burnt Friedmannとのコラボに近いドラム・スタイルだが、あれよりはずっとシンプル&リニアで力強い。昔の土取利行のソロを思い出した。

2012-03-10

Ras G / Down 2 Earth (2011)

Ras G / Down 2 Earth (2011)

ファットでルーズなビートの上にファンクやダビーなサンプリング・電子音が飛び交う、エクスペリメンタル・ヒップホップ。ダーティでかっこいいんだけど、一部しつこいサンプリングが耳についてマイナス10点。

2012-03-09

My Best Fiend / in Ghostlike Fading (2012)

My Best Fiend / in Ghostlike Fading (2012)

あのWarpからリリースされるロック系ということで、スタイルはともかくかなり個性的な内容なんだろうと思ったら、蓋を開ければ凡庸な叙情系フォーク・ロック。シューゲイズ風味の味付けも中途半端。ボーカルさえなければアンビエント的に聴けないこともないんだけど。

2012-03-07

Dean McPhee / Brown Bear (2010)

Dean McPhee / Brown Bear (2010)

UKのギタリストの3曲入り、ちょっと長めのシングル。ジャケットのイメージそのままの、なんとも素朴で自然回帰的な枯れた味わいのギター・アンビエント。冬の休日にぴったり。

2012-03-06

Dirty Three / Toward The Low Sun (2012)

Dirty Three / Toward The Low Sun (2012)

オーストラリアのインスト・バンド。旧作は聴いたことが無いので分からないが、レコメン系のチェンバー・ロック的手法の室内楽に、ジャム・バンドの要素が加わったような不思議なアルバム。テクニック偏重じゃなく巧い具合に力が抜けていて、聞き込むほどに味わい深い。

2012-03-05

Kyoichiro Kawamoto / Life to Come (2012)

Kyoichiro Kawamoto / Life to Come (2012)

前作とは違って、ほぼガムランのサンプリング音源だけを使ってバリに向き合った今作は、一歩間違えばニューエイジっぽくなりかねないところを巧く回避している。ガムランは本来演劇の伴奏が本分なのだが、これはバリの濃密な空気、漂う何かの気配に対しての伴奏に思える。アンビエントという表現が相応しいガムラン。

2012-03-04

Disappears / Pre Language (2012)

Disappears / Pre Language (2012)

昨年の "Guider" に続いての3作目。クラウト・ロックっぽいミニマルさが後退して、よりストレートでワイルドになった。派手さはないけど良いアルバム。

2012-03-03

Lilacs & Champagne / Lilacs & Champagne (2012)

Lilacs & Champagne / Lilacs & Champagne (2012)

Grailsのメンバーによるサイケ・プロジェクト。AlpsやHigh Wolfのようなフリーキー路線ではない、目眩くごった煮のようなスタイルなのに、アウトプットはどこまでもユル〜くダル〜い辺境サイケ。

2012-03-01

J.R. Plankton / Neon (2012)

J.R. Plankton / Neon (2012)

Europe Endlessチックなシークエンスで始まるタイトルからしてKraftwerkな1曲目の他、マッシヴでグラマラスなビート、インダストリアルなどバラエティに富む内容で、一貫して音圧の高い、良い意味のアナログ・テクノ。良い仕事してます。